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展覧会「デザインの兆しのはなし」

27・28 March - 2021
Venue : 銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUM
Organizer : NTT Docomo
Planner : AXIS Inc.
Exhibitor : 藤本壮介(建築家)・諏訪綾子(アーティスト)・スノーピーク・GROOVE X・コクヨ
Management : Shinya Furui

パンデミックで一変する価値観にとまどう社会へ贈るギフト これからの循環の「兆し」を束ねたタリスマン。

2020年から始まった新型コロナウィルスの世界的流行。
NEW NORMALという耳慣れない言葉にとまどいながら新しい価値観に適応することを強いられていた時。
繰り返される緊急事態宣言に、これからの社会と生活にどう向き合っていくか、皆が想いをめぐらせていた2021年の春。

NTT Docomoの呼掛けにより銀座 蔦屋書店 GINZA ATRIUMで、
5組のクリエイター・企業が集まり『デザインの兆し』を表現した展覧会が開催されました。

「兆し」
まだはっきりとは見えないけれど、これから顕在化してくるであろうライフスタイルの変化。
それを象徴するもの_として、
諏訪綾子は森にアトリエを設立して以降、作り・贈り続けている「タリスマン」と彼女が呼ぶ、間伐材の枝葉を束ねた「魔除け・お守り」をメッセージを認めた手紙とともに展示しました。

お金ではなくギフトによって成立する循環。
都市に住む人と自然を繋ぐ、循環の体験を提示しました。

展覧会と同時に、参加の5組、藤本壮介(建築家)、諏訪綾子(アーティスト)、スノーピーク、GROOVE X、コクヨと
NTTドコモ プロダクト部ザインディレクター・宮沢哲氏との対談をまとめた書籍も限定出版されました。

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【アーティスト ステイトメント】

Talisman in the woods

「森のタリスマン」は、私のアトリエがある山梨県 道志村の山深い森からお届けする
「お守り」であり、「魔除け」、そして「森への招待状」です。

2020年4月、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言中に、森のタリスマンはうまれました。
アルコールやマスクが不足して、先の読めない不安が充満していた頃、
東京でステイホーム中の友人たちへ少しでも森の気を届けたい、という想いからつくり始めました。

針葉樹の枝葉には、樹木が発するフィトンチッドがたっぷり含まれています。
それは、動くことができない樹木が傷ついた際に、
有害な微生物や虫などから自分自身を守るために発する成分であり、
私たち人間にとっても、殺菌、浄化、リラックス作用、そして免疫力をあげる効果があります。
その美しい気を集めた小さな森を、タリスマンとしてお届けします。

タリスマンには、この森の間伐材である樹齢40年から50年の杉やヒノキの枝葉を使用しています。
森では多様性ある生態系を維持していくために間伐され、
幹の部分は材木やバイオマスエネルギー源としての薪に利用されますが、
枝葉の部分はこれまで捨てられてきました。
そんな枝葉を私は森で見つけて、その美しさににハッとしたのです。

ぜひ毎日を過ごす場所へ吊るしてください。
だんだんと乾いていきますが、その美しい変化も楽しんでみてください。

タリスマンが乾ききったら、そのタリスマンを持って森へいらしてください。
森の中へ入り、自然の一部になるような体験へとご案内します。
そして役目を終えたタリスマンを焚き火に焚べて、森へ還しましょう。
それは土になり水になり樹木になって森になり、きっとまた私たちのもとへ巡ってくるでしょう。

これは都市に住む人と自然を繋ぐ、循環の体験です。
新たな世界への入り口へ、ようこそ。

諏訪綾子
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