food creation

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変身と変容 METAMORPHOSIS and TRANSFORMATION

15 October 2016
Venue : Kanazawa Castle
Produce : Junior Chamber Kanazawa
Chef : Makoto Doi (lnstallation Table ENSO L’asymetrie du calme)
Craft : Kihachi Kobo
Music : Kenji Ueno
Photo : Takahide Mitsui / Nakagawa Kentaro / Shinya Furui

木に変身した男、木から「器」へ変容していく男、その心の中の情景を体感するディナー。

石川県の伝統工芸である山中漆器の老舗「喜八工房」を代表する一品「樫椀-かしわん」が完成するまでの工程を表現したエクスペリメンタル・ディナー。会場は金沢城の実質的な正門である「河北門」。

諏訪綾子は樫椀に用いられる木材である樫の木をテーマに、11章から成る物語を創作。
ゲストは最初は粗削りな木片が、食事が進むにつれて、徐々に丹精な腕へと変貌していく様子を、物語と並行して実際に触れながらあじわう。いつしかゲストは、朗読される物語の登場人物となって、自然が生み出した美しい木目や、長い時間をかけて仕上がる丹念な職人技を、五感で感じ、あじわい尽くす。擬人化された器である樫椀の「樫木トラフ」と出会い、彼の成長過程の心のなかの情景を、コースディナーを通して体感することで、感情移入、共感、あるいは恋愛のような感情さえも彼に(樫椀)いだく。そしてディナーの最後には、食事を供にした美しく成長した彼を連れて帰ることで、これからの成長を見守っていく。

虎斑(とらふ):
樫ならではの銀色に反射する虎模様のような木目のこと。樫の木の成長過程で、その自然環境や、職人の創作過程で、まるでひとりの人間が成長するように、うまれる美しさが特徴。このディナーでは虎斑(トラフ)を心のなかの情景や感情を可視化した存在として、それをなぞりあじわい尽くすための象徴とした。